
大災害では思うように治療が受けられないことが想定されます。そのため、応急手当についての知恵を備えておくと安心です。
阪神淡路大震災の教訓
救急車も消防車も来たくても来られなかった
阪神淡路大震災では、多くのがれきや情報網・交通路の破綻などにより、救急車や消防車、ヘリコプターなどうまく稼働できませんでした。
市役所も病院も壊れた

市役所や病院も壊れ、医療機能は低下し応急対応を行政に頼ることは難しい状態となりました。
閉じ込めた人を助けたのは8割が近隣住民
自力脱出困難者の8割は近隣住民の力によって救出されています。
内閣府防災情報のページ参照http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h26/honbun/0b_2s_01_00.html
あなたが助けるかもしれない
すぐに病院の手当てが受けられない場合、あなたが目の前の人を助ける可能性があります。
応急手当てについての知恵とスキルを備えておく人が増えれば自助の力が広がります。
応急手当
心肺停止
心停止5分以内に心肺蘇生をする必要があります。AEDがあれば使用します。
心肺蘇生中に飲み込んだ水や泥が出てくる場合は、顔を横向きにして吐き出させるようにしましょう。
出血
人間の血液量は体重1kgあたり約80ml(50kgで約4リットル)です。短時間で20%以上(50kgで800ml)が失われるとショック状態となり生命に危険が及びます。
感染対策のため素手で止血しないよう注意が必要です。
出血性ショック:意識がぼんやりしている、皮膚が冷たくて青白い、息が浅く早いなどの症状があれば死に至る可能性が高いです。
衣服を緩め保温し救急車が来るまでそばにいて声をかけ励まし続けます。
骨折
激しく痛む、腫れがひどいなど、通常と違うと感じたら骨折と思って対処した方が良いです。
ラップは固定にもキズを覆うのにも便利です。ラップがない場合は、傘・木など副木になるものを使います。
骨折で血栓症を発症する場合があります。息苦しい、胸が痛いなどの症状がしばらく後に出てくる場合があります。骨折が疑われたら応急処置後速やかに受診してください。
やけど
災害とセットになっている火災。やけどの重傷度は深さと面積で決まり、体表面の20%にわたると重症となります。水で冷やすのが基本です。
広範囲の場合は感染予防のために、清潔な三角巾やタオルを水につけて包んで冷やします。
衣服が皮膚にくっついている場合があるので無理に脱がさない方が良いです。
クラッシュ症候群
重いものの下敷きになって救出された数時間後に腎不全や循環不全で亡くなる病態を言います。
長時間大きな筋肉(特に太もも)が圧迫された場合はできるだけ早く受診し適切な治療と経過観察をすることが大切です。
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まとめ
- 大災害では病院もパンクします
- 目の前の人を救うのはあなたかもしれません
- 応急手当についての知恵を備えておくと安心です