命を守る行動力を備えることは大切です。ここでは『釜石の奇跡』から学ぶ避難三原則について書いています。
防災の備えといえば『食料・水・トイレ』が三大備蓄ですが、どれも命あってのものですね。
訓練のための訓練では意味がない
これは2017年に山梨の小学校で実施された抜き打ち地震避難訓練(無予告)の映像です。
校庭に居た100人弱の児童の約9割は、緊急地震速報のアラーム音を聞いて、一斉に校舎の中に向いました。
校庭は何も落ちてきませんから、頭を抱えてその場にしゃがむのが安全です。
釜石の奇跡は、奇跡じゃない
釜石の奇跡とは
東日本大震災の津波で多くの犠牲者を出した岩手県の釜石市。大槌湾に面した鵜住居地区も津波で壊滅状態となりました。
しかし、この地区の鵜住居小学校と釜石東中学校にいた児童・生徒約570人は、全員無事に避難することができました。これは「釜石の奇跡」とよばれています。
日頃の積み重ねが実を結んだ
子どもたちは、日頃から自分たちで登下校時の避難計画を立てていたそうです。そして年間5~10数時間の防災授業も受けていました。
小学校・中学校の合同訓練もあったようです。釜石の奇跡では、そんな日常の積み重ねがきちんと身につき、避難三原則が実践されたのです。
未来の希望になった
『釜石の奇跡』は、どんな大災害でも、日頃の意識と行動で救える命があるのだという希望を教えてくれました。だから私も1人でも多くの人に届けたいと思っています。
避難三原則とは
想定にとらわれない
これまで私たちは、想定以上の地震、津波、原発事故をみてきました。防災の基本は最悪を想定することです。
ハザードマップに書いてあることも、あくまで予想なのです。
状況下において最善をつくす
今いる場所が本当に安全なのか、別の場所に避難するべきなのか、など、常に考えその時にできる最善をつくすことです。
釜石の子どもたちは、刻一刻と変わる状況を判断しながら避難先を3か所変えました。
いつどこで災害にあうかはわかりません。いろんなケースを想定しどのように行動するのか、日頃から家族みんなで考える練習をすることが大切ですね。
率先避難者になる
「自分は被害に遭わないだろう」と考えがちですが、自ら考え率先して避難することです。危機意識を持つことが大切ですね。
1854年の『稲むらの火』では、情報も防災グッズもない中、多くの命が救われました。避難の心づもりがとても参考になります。
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災害から身を守る意識の備え『稲むらの火』に学ぶ
まとめ
- 命を守る行動力を備えることは備蓄よりも大切です
- 釜石の奇跡で実践された避難三大原則を身につけましょう