防災・減災 在宅避難・避難所

福祉避難所が足りない?!もしもの時のための備え。

支援が必要な高齢者・障がい者の方々は福祉避難所へ、と言われています。

しかし、その数は不足しており、内容も自治体によってもさまざまなのだとか。

もしもの時に困らないための備えについてまとめてみました。

福祉避難所とは

福祉避難所とは

福祉避難所とは、災害時に支援が必要な高齢者や障がいのある方を受け入れる避難所で、1995年の阪神淡路大震災がきっかけで進められてきました。

要支援者とは

お体の不自由な方、高齢者、妊婦さん、赤ちゃん、精神疾患の方など、災害時の避難行動や避難所などでの生活が困難な方です。

ずっと不足している

阪神淡路大震災から26年経過した現在も、福祉避難所の数は不足しているのが現状です。

少子高齢化が進む中、これから充足していくのでしょうか。

福祉避難所はホントに推奨される?

要支援者は福祉避難所を推奨されていますが、私自身はちょっと疑問符がついてしまいます。

【その理由】

  • 自治体主導で整備されており、備蓄や施設環境に偏りがあり数も不足
  • 福祉避難所が最寄りにない場合がある
  • 支える人材の不足、連携不足の問題がある
  • 一時避難所から福祉避難所に移動するのも大変(移動手段・燃料・人手など)

インクルーシブな避難所

インクルーシブとは

インクルーシブとは、排除も隔離もしないことをいいます。

日本では、特別学級などの隔離が普通ですし、インクルーシブな公園も少なく、街のバリアフリーも少ないですね。

車椅子で乗ることができるブランコ

熊本学園モデル

『インクルーシブな避難所』の代表的な事例として熊本学園モデルが紹介されています。

誰も排除しない避難所の運営なんてムリだと思うかもしれません。しかし、熊本地震の際にそれを実践されたのが熊本学園です。

参考サイト:インクルーシブな避難所とは~「熊本学園モデル」から考える~ - 記事 | NHK ハートネット

誰も排除しない

熊本学園では障がいに関係なく受け入れ、誰も排除しないという共通認識のもと、専門家だけに頼らずみんなで協力し介護やお世話をされていました。

人員に余裕があっても、支援が必要という理由で受け入れる前から排除されることもある中、このモデルにとても感銘を受けました。

『福祉避難所へ行ってください』はある意味私は分断意識だと感じていて、この事例は、心の壁がなければ誰でもお手伝いができるんだという希望を感じました。

誰だって初めはわからない

わたしの例で言いますと、勉強していても実践するまでは看護についてきちんと理解はできませんでした。

病院の療養介助員さんや介護士さんも、みんな初めてがありますし、在宅介護する家族も資格がなくても介護されます。

やってみないことにはできないし、やりながらでも覚えられると私は思っています。

支える人材が少ない

福祉避難所へいってください、は、ある意味、専門家に丸投げ感、と私は感じています。

専門家がたくさんいればいいですが、現状はとても足りていません。そして大災害などでは集まるのが難しいことも十分考えられます。

そんな時助けるのはそこにいる誰かであって、それは自分かもしれない、そういう認識が広まれば世の中はもっと助け合える気がしています。

受け入れてから整える

熊本学園モデルでご活躍された社会福祉学部教授 花田昌宣さんはこうっしゃっています。『受け入れてから整えればいい』と。

26年かけて整っていない福祉避難所に期待を寄せるより、結果が出ているモデルの方が私は頼もしく感じます。

支え合うために

多くの人が殺到すると避難所はパンクします。避難所は一時的に住めなくなった方のためのもの。

1人1人が家の安全や備えをすることで必要な方が優先して利用できますし、自分に余裕があると、人を助ける余裕もうまれるのではないかと私は思います。

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率先して避難を考える

今度は支援を受ける側の視点にたって避難を考えてみたいと思います。

自分から率先して備える

自分で避難ができない方であっても、自分から、または周りにいる方が日頃から備えておくことで有事に活きると思います。

【避難に備える】

  • どこに避難するのか考える
  • 行政の避難行動要支援者名簿に入れてもらう
  • かかりつけの病院や介護チームに相談しておく
  • どうやって避難するのか具体的に考える
  • 支援者は誰なのか決めておく

【自分のことを備える】

  • 自分の情報をまとめておく(病やお薬・どんな介護が必要かなど)
  • 自分の日常に必要な備え(食料・トイレ・電源・メモ帳など)
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誰に頼めばいいのか

大災害直後は行政がうまく稼働できるまで72時間かかると言われています。まずは自分で自分の身を守る備えが大切です。

そのためには待ちの姿勢ではなく、誰に支援を頼むのか、自分から支援のきっかけを作ることも大切だと思います。

  • 今関わっているサポーターの方
  • 近所の方や自治会の方
  • ボランティア団体
  • 行政や民生委員  など

地域防災訓練に積極的に参加する

地域の自主防災組織や介護団体の防災訓練などがあれば積極的に参加することをオススメします。

自分でできないからこそ、待つのではなく率先して参加することが大切だと思います。相談する・考えることで心構えもできます。

まとめ

  • 福祉避難所についてまとめました
  • インクルーシブ避難所のご紹介
  • 要支援者の備えについてまとめました

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